見守り契約と財産管理等委任契約
財産管理等委任契約
時系列的には、任意後見契約の前に必要になるものです。
任意後見契約を契約した後、効力が発行するのは、認知症など、ご本人の判断能力が低下してからですが、判断能力が低下しなくても病気等で、体が動かなくなることがあります。そういった場合は、任意後見制度はまだ使えない状態ですが、誰かに財産管理等をしてもらわなければいけない状態です。
このような場合に、財産管理等をしてもらうように、契約をしてお願いしておく契約です。任意後見契約を同時に契約しておくことが一般的で、任意後見人候補者にお願いすることが普通です。
見守り契約
時系列的にはさらに前になります。1月に1回程度、訪問したり電話をしたりして、本人の状態を確認します。本人の近くに親族等がいなければ、いつご本人が、病気になったり認知症になったりしたか分からないので、見守り契約をしておく必要があります。
死後事務委任契約
亡くなった後の葬儀などについて、お願いしておく契約です。
1 葬儀、埋葬、(供養)に関する事項
2 生前に発生した本件後見事務にかかわる債務の弁済
3 家財道具 身の回りの生活用品等の処分
4 その他、任意代理事務 ・任意後見事務の未処理事務
等をお願いします。
親族にやってもらうことが一般的ですが、身寄りがない場合、親族に頼りたくない場合に契約をしておきます。
任意後見契約をするときに、公証役場で公正証書遺言を作成することが多いです。
遺言
皆さん、よく知っている制度です。亡くなった後の財産を誰に相続させるか、誰(第三者も可)に遺贈するかを決めておきます。
任意後見契約をするときに、公証役場で公正証書遺言を作成することが多いです。
遺言は、自分で書いた自筆証書遺言でもいいのですが、原本が一つしかない状態になるので、紛失することを考えると公正証書遺言を利用する方がいいと思われますが、自筆証書遺言保管制度が始まりましたので、こちらと利用してもいいでしょう。ただし、公正証書遺言と違って、内容は自分でしっかり確認しておく必要があります。
福祉型信託
最近、福祉型信託も検討される方も増えているようです。(まだ数は少ないとは思います。)
信託とは、ご本人(委託者)が、お願いする人(受託者)に資産を運用してもらい、その利益を受託者が受けるという、三角形の関係です。
最初、委託者と受益者が同じで場合も可能です。(最初は自分が利益をうける。)
その後、受益者が亡くなった場合等に、受益者を他の方に移ることも可能です。
なかなか最初は理解できないかもしれませんが、こんな制度があるということを覚えておいてください。