任意後見制度と法定後見制度との違い
成年後見制度は、法廷後見制度といわれ、任意後見制度と対をなすものです。
任意後見とは、どういうものなのでしょうか。
任意後見制度とは
判断能力があるうちに、判断能力が低下した後の自己の財産管理や身上監護等に関する事務を、自己の信頼する者に委任し、その者が家庭裁判所の選任する任意後見監督人の監督を受けながらその事務を遂行するという制度です。
法定後見制度とは違い、自分で任せる人を決め、依頼する内容も決めてしまいます。その内容は、契約書として、公証役場で公正証書にします。
成年後見との違い
判断能力が低下してはじめて支援者を選任する制度です。医師の診断書があることが前提の制度です。
裁判所が後見人を宣する権限がありますので、候補者を立てることができますが、最終的には裁判所の判断になります。親族や、友人を候補者としても選任されないことがあります。
後見人は、原則として(監督人が選任されない場合)、直接裁判所が監督します。
任意後見制度は、あらかじめ自分で判断能力が低下したときのために準備しておく制度なのに対し、成年後見は、判断能力が低下してから動き出す制度になります。
全部自分で決めておける制度ですし、利用促進法でも推奨されていますので、良さそうな制度なのですが、実際のところ、なかなか普及していません。日本人は、自分で自分のことを決めるのが苦手なのかもしれません。後見制度全体の数%のようです。
私がかかわった方では、財産等が多くて、ご自分で今後のことを考えないといけないという危機意識を持った方や、過去に相続で身内に騙された(本人談)ので、認知症になったときの準備をしないといけないという意識を持った方など、それなりに、強い意志を持った方でした。
誰にお願いすればいいのか
後見人になれないのは
こういいいた方は、後見人になれません。
①未成年者
②家庭裁判所で解任された法定代理人、保佐人、補助人
③破産者
④行方の知れない者
⑤本人に対して訴訟をし、又はした者及びその配偶者並び...